学ぶ・知る

日本出版クラブで本屋大賞発表 大賞は町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』

大賞を受賞した町田そのこさん

大賞を受賞した町田そのこさん

  • 6

  •  

 「2021年本屋大賞」の発表会が4月14日、「日本出版クラブ」(千代田区神田神保町1)で開催され、大賞受賞作に町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)が選ばれた。

『「ない仕事」の作り方』で発掘部門「超発掘本!」を受賞したみうらじゅんさん

[広告]

 同賞は「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」をキャッチコピーに、出版業界の活性化を目的とし、年に一度全国の書店員の投票によって選出される文学賞。今年で18回目を迎え、昨年は凪良ゆうさんの『流浪の月』が受賞した。

 町田さんは、1980(昭和55)年生まれ、福岡県出身の小説家。「カメルーンの青い魚」で第十五回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞し、2017(平成29)年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビューした。翌2018(平成30)年には『ぎょらん』、2019年には『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)、2020年には『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね店』(新潮社)を出版している。

 大賞作品に見事輝いた『52ヘルツのクジラたち』は昨年、町田さんにとって初となる長編作品として発売。自分の人生を家族に搾取されてきた女性の貴瑚(きこ)と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年による物語。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきたという彼らが出会い、ストーリーが展開される。

 受賞について町田さんは「発売された昨年の4月は新型コロナウイルスの影響もあり世の中は混乱し、不安を抱えていた。受賞の喜びよりもプレッシャーの方が大きかったが、賞に見合う作品だと信じて背筋を伸ばし、今後精進していこうと思う」と語った。

 大賞以下の順位は、2位が青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)、3位が伊吹有喜さんの『犬がいた季節』(双葉社)となった。当日は翻訳小説部門も発表され、ディーリア・オーエンズさん(友廣純訳)の『ザリガニの鳴くところ』(早川書房)が1位に、発掘部門「超発掘本!」ではみうらじゅんさんの『「ない仕事」の作り方』(文藝春秋)が選ばれた。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース