明治大学博物館(千代田区神田駿河台1)特別展示室で10月13日から、特別展「ウィリアム・ガウランドと日本の古墳研究」が開催される。
日本アルプスの命名者としても知られる英国人技師ウィリアム・ガウランド(1842~1922)に関する古墳出土資料などを展示する。
ガウランドが収集した古墳出土資料や作成した調査図面、幕末から明治維新期の日本に駐在し、多くの歴史的事件に直接関係した外交官で日本学の研究者アーネスト・サトウら当時の研究者との交流を示す手紙、古墳を撮影した写真などの資料に国内の関連資料を交え、最新の研究に基づいたガウランドの古墳研究の実像に迫る。
ガウランドは1872(明治4)年に来日し、大阪・造幣局に勤めながら数百基に及ぶ日本各地の古墳を調査し、研究論文を帰国後に発表。その研究は日本の古墳研究の先駆けとして高く評価されながらも、全体像はベールに包まれたままだったが、ガウランド・コレクションを収蔵する大英博物館の全面的な協力を得て、日本だけでなく英国でも公開されていない資料を基に特別展が実現した。
会場には、ガウランドの研究にゆかりのある白鳥塚古墳(兵庫県宝塚市)の中の石室を再現したバーチャル体感ゾーンも設置。
関連講座として、明治大学リバティアカデミー連続講座「考古学ゼミナール」の「ウィリアム・ガウランドと古墳研究ー大英博物館に残された“学術の遺産”」や学芸員によるギャラリー・トークも予定する。
開館時間は10時~17時。入場料は300円ほか。12月2日まで。