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東京国立近代美術館で「工藤哲巳 回顧展」日本で20年ぶり、東京初開催

「あなたの肖像-工藤哲巳回顧展」会場風景
撮影:木奥惠三
©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013

「あなたの肖像-工藤哲巳回顧展」会場風景 撮影:木奥惠三 ©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013

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 東京国立近代美術館(千代田区北の丸公園)企画展ギャラリーで現在、「あなたの肖像-工藤哲巳回顧展」が開催されている。

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 工藤哲巳(1935~1990)は東京芸術大学在学中から読売新聞主催の展覧会「読売アンデパンダン」を中心に作品を発表し始め、「反芸術」の代表的作家の一人として注目を集める。1962(昭和37)年以降はパリを拠点に80年代半ばまで欧州を中心に活躍した。渡欧後は、文明や社会批判的観点から作品を制作してきた。

 今回の展示では日本初公開の作品に加え、作品制作と同様に取り組んできたパフォーマンスに関する記録映像、写真など総数200点を超える作品や資料を展示し、工藤哲巳の活動全体を知ることができるよう工夫する。

 作品はおおむね時系列順に並べ、作品を包括的に振り返ることができる構成にした。日本で大学卒業前後の「読売アンデパンダン」展の会場一室を占有して話題になった「インポ分布図とその飽和部分における保護ドームの発生」などが約半世紀ぶりに日本に帰国する。パリ到着後すぐに発表された断片的な身体や肥大化したり溶けたりする身体が、それぞれサイコロを模した箱に積み上げられた「あなたの肖像」などの作品を展示している。

 工藤哲巳は、近年ラ・メゾン・ルージュ(2007年パリ)、ウォーカー・アート・センター(2008-2009年、米ミネアポリス)などで大規模な回顧展が開催されるなど世界的に再評価の機運が高まっている。欧州での活動が中心だったため日本では十分に検証されることがなかったがこの度、日本で20年ぶり、東京では初めての回顧展が開かれることになった。

 同展の開催に合わせて、東京国立近代美術館、国立国際美術館、青森県立美術館の3館でも特設サイトを運営。会期中、情報を随時更新する予定。

 開催時間は10時~17時(金曜は20時まで、最終入館は閉館30分前まで)。月曜休館。入館料は、一般=850円、大学生=450円など。3月30日まで。

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