九段下の科学技術館(千代田区北の丸公園)で3月27日~31日、「第70回全日本学生児童発明くふう展」が開催された。主催は発明協会。
内閣総理大臣賞を受けた茨城県古河市立古河第三小学校3年、後藤夏南さんの発明品「地しんだ鈴(りん)」
1941(昭和16)年に始まったこの催しは、次代を担う児童生徒が自らのアイデアを形にすることを通じて、観察、思考、工夫、創造などを養い、併せて発明や科学技術に対する関心を高めることを目的に毎年開催されている。
今回は、全国の小中高校から8757件の応募があり、各都道府県の発明協会より推薦を受けた778点の作品の中から、厳正な審査を通過した発明品152点が出品された。今年の作品の特徴として、「東日本大震災の影響もあり、防災や節電に関連した発明品が多数見られた」と発明協会の藤井郁夫さん。
28日には皇太子さまが同会場を訪れ、子どもたちの発明品を鑑賞。最高賞の恩賜記念賞を受けた、千葉県我孫子市立根戸小5年、清水柊平さん(11)の発明品「全自動! 段差を乗りこえるロボット」の説明を受けられた。清水さんはこの作品を作った動機として、「がれきの中などで作業できるように工夫した」と話す。
期間中、会場には連日3000人近くの親子連れが訪れ、熱心な様子で作品を鑑賞していた。会場内に設けられたスペースでは、トヨタ自動車、元航空宇宙技術研究所研究員、パイロットコーポレーションら有志による発明教室も開かれた。
同協会の前野士郎さんは「こうした催しを通じて、できあがったおもちゃで遊ぶだけではなく、自分でも制作できることを知ってほしい。参加して作品ができると確実に自信になる。そして自分で作るのは楽しい、ということを実感してほしい。その最初のきっかけになれば」と話す。