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「笑う、避難所-石巻・明友館 136人の記録-」-集英社から新書

「写真を32ページ掲載しているので避難所の雰囲気を感じてほしい」と話す著者の頓所さん

「写真を32ページ掲載しているので避難所の雰囲気を感じてほしい」と話す著者の頓所さん

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 集英社(千代田区一ツ橋2)から1月17日、新書「笑う、避難所-石巻・明友館 136人の記録-」が出版された。

愛佳ちゃんは、「明友館」のアイドル的存在。全国からファンレターが届くようになる

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 同書は、東日本大震災で被災した宮城県石巻市の自主避難所「明友館」を舞台にしたドキュメンタリー。自分たちも被災しているにもかかわらず、ほかの避難所を積極的に支援し、「奇跡の避難所」とまで呼ばれるようになった同避難所136人の魅力的なメンバーを追っている。

 著者の頓所直人さんは「週刊誌の取材で初めて被災地に入ったときは、避難所に寝泊まりしてそれを記事にするのはバックグラウンドが違いすぎるのでやめようと思っていた。ただ、明友館の人たちが余りにも魅力的で純粋にもっと彼らのことを知りたいと思い、一緒に寝泊まりすることになった」と出版のきっかけを話す。

 「悲しみは3日で捨てた…」というコピーは同避難所の副班長でリーダーと呼ばれていた千葉恵弘さんの言葉。震災で妹を亡くしたが、避難所に集まった人たちと一緒に生き抜いていくために悲しんではいられないと思い、気持ちを切り替えたという。

 先日、刷り上がった同書を持って同避難所を訪れた際には、「避難生活を送っていたときは振り返る暇がなかったが、本にまとめてくれてうれしい」と喜んでもらえたと頓所さん。特に千葉さんには、「本を読んで避難所のみんなが泣いてるよ、どうやって落とし前つけてくれるの?(笑)」と声を掛けられたのがうれしかったと話す。

 「これを読んでくれた人が被災地を訪れるきっかけになれば。明友館は10月11日に解散しているが、これからも彼らのことを追い続けていきたい」とも。

 新書判192ページ。価格は756円。

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