刑務所などに入所する受刑者が製作した製品を展示即売する「第53回全国矯正展 メイドインプリズン ~こんな物まで作っているの!?~」が6月3日・4日、九段下の科学技術館(千代田区北の丸公園)で開催されている。
初日の朝には、10時の開場を待つ来場客が科学技術館の前に長蛇の列を作った。イベントを主催する法務省矯正局の山縣一光さんによると「午前7時半に会場入りしたが、その時すでに並んでいる方がいた」という。
製品のジャンルや展示のテーマによって11のエリアに分けられた会場は、お目当ての製品や掘り出し物を探す来場者でにぎわった。普段は各地の施設で製作指導や販売に当たっている職員たちが全国から集まり、製品説明や会計などの接客を行う。
人気製品は、「コッペパン」(2本100円、府中刑務所)、「みそ」(1.5キロ360円、市原刑務所)、「しょうゆ」(1リットル240円、市原刑務所)などの食品、「ノート」(1冊110円、府中刑務所)、「レターセット」(220円、三重刑務所)などの紙製品、「紳士靴」(3,900円~、千葉刑務所ほか)、「婦人靴」(4,620円~、長野刑務所ほか)、「藍染め・女性用帽子」(2,500円など、徳島刑務所)などの衣類とさまざま。たんすやソファなど大きな家具を品定めする来場客の姿も。
主催者によると、今回販売されている製品でもっとも安価な品は、府中刑務所の「革のライターケース」(50円)。最も高価な品は、千葉刑務所の「おみこし」(225万円)だという。約1900品目、約5万9000点の製品が出品されており、昨年は2日間で約4,000万円を売り上げた。この売り上げは、主に刑務作業の原材料費として使用され、一部は加工賃として国庫に納入される。
毎年来場しているという都内の男性は「どの製品も質が高くて値段が安いのがうれしい。受刑者が製作しているといっても悪い印象はない。以前、本棚を購入したこともある」と話していた。
4日の開催は9時30分~16時。2日間で約1万5,000人の来場を見込んでいる。