戦争の労苦体験を後世に-神保町で「語り継ぎカフェ」開催

戦争の労苦体験を語る増田弘さんと司会を務める同館解説員の世古美成さん

戦争の労苦体験を語る増田弘さんと司会を務める同館解説員の世古美成さん

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 神田神保町の喫茶店「サロンド冨山房FOLIO」(千代田区神田神保町)で12月3日、戦争の労苦体験を伝える「語り継ぎカフェ」が開催された。

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 5年ほど前から毎月第3金曜日に、専門家と少人数の一般客がコーヒーを飲みながら科学について語り合う催し「サイエンスカフェ」を開いている同店。「語りつぎカフェ」は、そのスピンオフ企画。太平洋戦争開戦日である12月8日を前に、平和祈念展示資料館(新宿区)が主催した。

 この日、戦争体験の語り部として壇上に上がったのは同館名誉館長の増田弘さん。「戦争の労苦体験としては、極寒の地で過酷な労働を強いられたシベリア抑留が知られているが、実はこの問題はほかの戦地にもあった。例えばオーストラリア軍による進駐を受けた南方のラバウル。終戦後には不公正な裁判によって戦犯扱いされた日本兵が獄舎につながれたり、マラリアで倒れそうな状態で強制労働をさせられたり、飯ごうの中に蛇を入れられたり…と地獄のような日々を過ごした史実が残っている」。話は約1時間に及び、小学生から戦争世代までの幅広い年代の参加者が聞き入った。

 同イベントについて、増田さんは「普段は大学の講義やフォーラムで講演するが、こういうインフォーマルな場所だからこそ話せることも多い。少人数だから聞き手側もフランクに質問してくるなど、会場に一体感が生まれる」と話す。

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