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神保町のラーメン店が被災地で炊き出し-来店客のボランティア参加も

仮設の厨房で炊き出しを行う「豚とこむぎ」の青柳猛さん(左)と藤原義久さん(右)。(写真提供=藤原義久さん)

仮設の厨房で炊き出しを行う「豚とこむぎ」の青柳猛さん(左)と藤原義久さん(右)。(写真提供=藤原義久さん)

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 神保町のラーメン店「製麺所 豚とこむぎ 2號」(千代田区神田神保町)のスタッフらが5月29日、宮城県南三陸町を訪れラーメンの炊き出しを行った。

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 避難所となっている石浜集会所を訪れたのは、同店を共同経営する藤原義久さんと青柳猛さんら5人。協力者を募る貼り紙を見て申し出た常連客1人も同行し炊き出しを行った。女性からの問い合わせも複数あったという。

 南三陸町は東日本大震災後の津波で大きな被害を受けており、町内にある32カ所の避難所では今も3,300人以上が暮らす。藤原さんらは、既に同町でボランティア経験がある知人から「炊き出しのニーズがある」との情報を得、定休日の日曜日に炊き出しを行うことにした。

 付き合いのあるすし店や喫茶店の経営者、元焼き鳥店経営者などが、それぞれの技能を生かして炊き出しを行うために集結。大型免許が必要なマイクロバスでの移動となったため、都バスの運転手をしている知人2人も参加して、17人の炊き出し部隊となった。事前に現地の災害ボランティアセンターを通じて紹介された避難所の責任者と調整のうえ、石浜集会所に向かうことが決まったという。

 7時間以上をかけて現地入りした一行が炊き出しを行ったのは5月29日の昼。普段「豚とこむぎ」で提供している麺は、コシの強い自家製の太麺で250グラムとボリュームがあるのが特徴だが、今回は特別にいつもより細い麺を用意し食べやすくした。小雨が降り続く悪天候の中、持参した約100食のほぼ全てを提供した。

 「喜んでもらえたとは思うが、それよりも皆さんが精神的にかなり疲れているという印象の方が強い」と藤原さん。「実際に現地に行ったからこそ感じられたことは多い。具体的な計画はこれからだが、必要とされる状況があるなら、また炊き出しに行きたい」

 「豚とこむぎ」は五反田にある同名店の2号店。「一番人気」だという「しょうゆラーメン」(700円)のほか、最近は塩そば(750円)や油そば(780円)などの新メニューも加わった。「次の新メニューも開発中。タコライスのラーメン版を作れないかと考えている」(藤原さん)という。

 営業時間は11時15分~15時、18時~22時(土曜・祝日は昼のみ)。日曜定休(月曜が祝日の場合は休み)。

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