九段下・昭和館で企画展「ポスターに見る戦中・戦後」-第2期始まる

ポスターからその時々の時代背景が見えてくる。昭和館にて2期に分けて開催中

ポスターからその時々の時代背景が見えてくる。昭和館にて2期に分けて開催中

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 戦中から戦後の国民生活について資料を展示する昭和館(千代田区九段南1 TEL 03-3222-2577)で現在、特別企画展「ポスターに見る戦中・戦後」が開かれている。

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 同館では、1935(昭和10)~1955(昭和30)年に街頭に掲示されていたポスター約1,800点を所蔵し、一部を常設展示の中で公開している。今回の特別展示では、その中から180枚を2つのテーマに分けて展示。3月19日からの第1期「公共事業・社会事業を中心として」が終了し、4月19日に第2期「商業広告・文化催事を中心として」が始まった。

 展示会の告知物にも使われている金製品の供出を呼びかけるポスター「お国の為めに金を政府に売りませう」は、1939(昭和14)年に全国地方銀行協会が発行したもの。これら政策や公共的な事業に関するポスター90点が、「マスメディア」「金融」「寄付・供出」「運動」「行政」「記念日・週間」「募集」「通信・輸送」「図解」に分類され、第1期に展示された。

 第2期では商品や文化催事の広告90点が、「出版」「広告・食品飲料」「広告・その他」「映画」「芸能」「競技」「催事」「旅」というテーマごとに展示されている。

 「第1期で扱った国策を知らせるポスターに比べると、人々に物を売ることを目的とした商業広告の方が、比較的華やかに見える印象がある」と解説するのは、同館学芸課主任の萩谷茂行さん。「当時は図案家と呼ばれる人たちが、絵を描き写真も撮りレイアウトも行い、職人としてポスターを制作してた」という。ポスターを芸術やデザインの視点から展示するのではなく、当時の生活や社会の雰囲気を読み取るための資料として展示するのが同展の狙い。

 開催時間は10時~17時30分(入館17時まで)。入場無料(常設展示室は有料)。月曜休館。5月15日まで。

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