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神田神保町に「無音」の路上ミュージシャン-ヘッドホンでジャズピアノ演奏

人通りが多いと、ヘッドホンで聴いている人も一緒に通行人の視線を浴びる。「オーディエンスがパフォーマーになる」と歳森さん

人通りが多いと、ヘッドホンで聴いている人も一緒に通行人の視線を浴びる。「オーディエンスがパフォーマーになる」と歳森さん

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 神田神保町かいわいの路上で10月26日、ストリートミュージシャンによる「無音」のライブ演奏が行われた。

陶酔した表情を浮かべながら演奏するアラトーリさん。「無音」が目印

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 道端で男性が電子ピアノを弾いているにもかかわらず、どこからも音が聞こえない不思議な光景。車輪付きの電子ピアノで、演奏しながらも少しずつ移動している。「無音」と大きく書かれた電子ピアノにはワイヤレスヘッドホンが用意されており、装着するとパフォーマーの「アラトーリ」こと歳森彰さんが演奏しているジャズピアノの旋律が聴ける仕組みだ。

 歳森さんが「無音」演奏を始めたのは2009年6月。普段は京都で活動しており、東京での演奏は今回が初めて。「神保町は出版関係者の多い街。将来は自分の『無音ストリート音楽論』を出版して、書店で実演販売したい」という。

 昼休み時のビジネスマンやOLの中には、立ち止まって眺めたり、携帯電話のカメラで写真に収めたりする人も。ヘッドホンで歳森さんの演奏に聴き入る人もいるが、ほとんどの通行人は通り過ぎるか、遠巻きに様子をうかがっている。歳森さんは、日々の演奏中の出来事をブログに記録しているほか、ツイッターを検索して自分を目撃した街の人たちの声を集めている。

 「路上演奏だが聴きたい人だけが聴けるので騒音にならない。移動しながら演奏しているので、場所も占有しない。こんな演奏方法が世界に広がることで、街中が演奏する人たちで増えれば素晴らしい」とも。

 イベント出演のためにいったん京都に戻った歳森さんだが、再度上京し、11月2日~4日に神保町で演奏を行うという。「都内のあちこちで演奏するのではなく、神保町だけでやろうと考えている。街の名物になれるかな」

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